あゆへ
今日あゆと会って、ようやく、ああ、あゆはもうずっと眠ったままなんだなってわかったよ。
知ってたんだけど、どこかで覚悟もしてたけど、何だかずっと心もとなくて、つらかったよ。
私の名前を呼ぶあゆとか、眉間に皺寄せながら歌うあゆが、頭の中にはいるからさ。
いやだいやだってだだこねてたんだ。
あゆがいなくなった今、だから言えるけど、私あゆの病気受け入れきれてなかったね。どうしたらいいかわからなくて、病室でも、頷くことしかできなかった。未来の話をしたら、もうそこにあゆはいないって思っちゃったから、何の話をしたらいいかわからなかったんだよ。ごめん、向き合えてなかったね。弱くてずるかったね。ごめんね。
あゆの病気を知って、お見舞いに行くたびに最初は泣いてたけど、泣くよりももっと免疫が回復するようなことしなよってあの子に叱られて、苦しかったよ。(そこだよね、受け入れられなかったのはね。ひとりでお見舞い行けなかったのもそうだよね。ごめん)自分の私生活と、周りの目を取ったんだよね。ずるいし、薄情だなって思う。もっとやれること、あったね。手紙書くとかさ。今になって思うよ。
でもきっと、それを責め続けるのは違うよってあゆは怒るし、私も違うと思うから、もうしないよ。わかったから。もうしない。あゆに教えてもらったから。次誰かが苦しいときには、もっと寄り添えるようになるね。
歌のみんなは愛情深いから、わってみんなで抱き合って泣いたよ。あゆは愛されてるからさ。みんなあゆが好きなんだよ。
だけど一頻り泣いたら、ほらみんな経験値高いから(笑)、チャキチャキ笑い飛ばしてて私は気持ちが楽になった。ああして生活って回していくんだね。そんな風に思ったよ。
だから、これからも私は生活を重ねていって、その中にあゆはいないし、思い出さない日も増えていくけど、時々ふとあゆを思い出すよ。元気にしてる?って。だからそのときは、ことりちゃん元気だよー!って、笑ってね。
あー、書けてよかった。今日会えてよかった。あゆに触れられてよかった。区切り付けられた。明日から、またひとつずつやってくね。
あゆが笑ったところや、声や、優しさがすきだよ。
あゆありがとね。元気でね。ばいばい。おやすみ。