金色のスプーン

わくわくしながら生きていく。

スパイス

昨夜、二ヶ月ぶりに向こうが会いに来た。
それまで私にはなんの興味ないよって素振りだったのに、「もう遅いから寝なさい」とか何とか言って電気消しだして、触られるのは嬉しかったけど、「ズルイ」って言っちゃった。
好きとか絶対言わないくせに。
でもまず付き合ってる関係性でもない。
そんなの求める方が違うのは自分でも知ってる。向こうは恋人とか付き合うとか、そういう縛る関係に意味はないと思ってるから。
「会わない方がいいのかなぁ」って口をついて出たのも本音。でも向こうが、「試しに一定期間やってみようか」って譲歩したように言ったけど、それは譲歩じゃないんだ。やるなら徹底的にやらなきゃ、私は向こうを諦めきれない。
でも私はそれを選べなかった。
泣きながら「私はあなたを自分のものにしたい」「でもそういうことじゃないってわかってる」って伝えた。
申し訳なさそうに頭を撫でられた。

それから、どういうわけかセックスする流れになって(泣いてる私に欲情したのか?)、めちゃめちゃふたりで興奮して終わった。
なんか振り返るとセックスを興奮させるためのスパイスみたいになってしまってダサいなと思うけど、私は普段言えない分ああして言えたことは大きかった。向こうの下手な愛情表現とか、こだわりの強さとかも知ってるから、それを私が納得できたら、それでいいんだ。

結婚したいと思っていることとか、恋愛ベクトルで考える自分はどうしてもいるけど、今はこれでいいなと思う。変わるときがきたら、勝手に容赦なく変わってしまうんだから。